あるところには・・・あった! |
みなさんは昭和16年がどんな年だったのかご存知ですか?日本は真珠湾攻撃で大東亜戦争に突入し、尋常小学校から国民学校へと変わり、金属類の供出も始まった年だ。 イロイロ忙しく動き回っているのだが、そんな中で古本屋に頼んでおいた本が届いた。その本の奥付を見たら発行が昭和16年とあった。 本のタイトルはJAPANESE BIRDS 日本の鳥という英文の野鳥ガイド、著者のPRINCEとあるのは、鷹司信輔公爵(貴族院議員で鳥類学者)でもある。 ソフトカバーだが、表紙はカラーである。 中には原色図があり、これを描いたのは鳥類画家として知られた小林重三さん。 写真の多くは、当時自然カメラマンとして名をはせた下村兼二さん。 こうした本の図や写真の提供者は素晴らしく、当時の最高のスタッフを選んだものだ。そして驚くべきは本に使われたクリーム色をしたグラビア用紙の紙質の素晴らしさや、グラビア印刷の素晴らしさだ。戦前の本には、かなり質の良いものがあるが、この時代の本でこれだけの紙質は見たことが無い。いくら公爵とは言えども、何ともまぁ贅沢な内容である。 それだけでなく、敵勢語の英語で日本の鳥のガイドブックが作られた事に驚いた。 もし、みなさんもどこかで見かけられたら、ぜひ手に取ることをオススメしたい。 当時の公爵と言われる方がどれほどの人だったかがこの本だけからも、垣間見れると言うものだ。 同じ年に発行された一般人の書籍のほとんどは紙が茶色く変色しており、わら半紙同等の紙が使われたものだからね。 |
by crazylovers
| 2013-10-23 22:38
| books
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Comments(2)
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ぱんだ
at 2013-10-24 20:46
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この本は見たことがありません。
当時の図鑑類は、今のように出版社が売るために企画・発行するのではなく、お金持ちが資本にモノを言わせ、画家やカメラマンを雇い発刊したのだと思うので、本の出来も相当なモノが出来たようですね。 趣味は本来、このようにお金がある人が損得言わずに好きなようにやるべきモノかな?とも思います。 ※最近、入手した書籍で面白いモノは昭和17年発行の「ヌートリアの養殖法」です。
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beachcomberjp at 2013-10-24 22:26
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