アイ・ラブ・マルゼン3・カガシクリーム・つながる繋がる! |
怒涛のマルゼンシリーズ、ここまで来るとは思わなかった。 今回は瓢箪からコマ・・・なのですが。 さて、名古屋空襲の熔けたガラスを見て歩くようになって、いくつかの壜底を見てきました。 そんな中で疑問に思ったのがコレだ。 底にシ・ガ・カとカタカナで陽刻された壜。 シガカ?ガカシ?カシガ?読み順は三通り。 これって、滋賀か?画家氏?樫が? どれをとっても、しっくりこない。 この壜底を見たのは数個もあった。 そのくせ、乳白色のクリーム壜の全貌には程遠いものがあった。 その壜の全貌が明らかになったのは、やはり雨の後!ほらね・・・!! やっと掘り出しましたよ~!! 洗ってみたら、縦長で口の小さくなった、プロポーションの美しい壜でした。 これまで欠片しか見てこなかったモノの、全体像が見られるのは嬉しいこと。 しかし、疑問の残る壜底の暗号は解読されないまま・・・! 昔は右から左に文字を読んだのを思い出した。 すると、シカガ?ガシカ?カガシ? でもこれでも、鹿が?餓死か?加賀市? とりあえずカタカナ+クリームで検索、するとカガシクリームでヒットあり! 昔の新聞広告にあった日付は、昭和5年10月26日、それに昭和13年にも・・・つまりは戦前のモノに間違いなし。 そして・・・愛知看板の作った昔の看板にカガシクリームがあった。 でも、活字ばかりで実体の手がかりなし。 ネット検索はそんなに好きではないので、残るはこれまで培った人脈などを、カンで探りながらフル活用! そんな中である人物を紹介された。名古屋在住のC氏とでも、しておこうか。 名古屋市東区内の喫茶店でお会いしたC氏に、壜を見せたところ、彼は笑いながらカバンから小箱を一つ取り出した。 それが何とカガシクリームの外箱!そして中にはピカピカのニッケル鍍金もまばゆいクリーム壜!!静かな喫茶店の中でわたしはスゴイ~!!と叫んでしまった。 さすがに中身は入っていなかったが、中身が入っていても不思議ではないほどの状態! こんなモノの存在に、驚いてしまいました!まるで博物館の収蔵庫に眠っていたようなモノだったのです。 そして、もっと驚くことが!!帰り際、C氏はわたしに「この壜、あなたに差し上げます。この壜が無ければ会うこともなかったでしょうし、こんなに喜んでもらえるのですから・・・」と、手渡してくださったのです。 壜と一緒にお写真を・・・とお願いしたのですが、それは固辞され「では、ごきげんよう」と言って帰られました。 それでは、C氏から頂いたカガシクリーム、とくとご覧あれ。 外箱の蓋部分がコレ!カガシって、案山子だったのですね。 驚いたことに名古屋で最古のデパート松坂屋のマーク、このカガシクリームはOEMで松坂屋ブランドにもなって、松坂屋で売られていたようです。 そして、反対側にはコレ! よ~く見たら、何とMARUZENとあるではありませんか! 壜には煌くニッケル鍍金の蓋、それに松坂屋・いとう呉服店特製のシール! こっち側には、KAGASHI CREAM FOR THE SKIN MARUZENとある。 上手くいかないときには、いくら断片的な資料が集まっても、何もつながらない。 けれど、今回のように奇跡的につながることもある。 外箱には、丸善化粧品部謹製 五十銭とあった。 わたしが名古屋空襲遺跡でいくつもの壜底を見たのは、きっと松坂屋が丸善製品を販売していた影響が強いのだろう。 そういえば、子供のころ松坂屋に入っていた書店は丸善だった気がする。 丸善との因縁が、これだけ続くのは、何だか不思議でもある。 そのきっかけとなったC氏に感謝。彼と出会えなければ、マルゼンとのつながりも分からなかったのだ。 漂着物もボトルディグも・・・一期一会。 |
by crazylovers
| 2008-05-24 14:14
| 名古屋空襲資料室
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Comments(16)
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陶片狂
at 2008-05-24 14:49
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こりゃあ、すごい!このカガシ瓶私も拾ってます。案山子でしたが。これをつけると案山子のようになりますって意味でしょうか。箱ばっかりは干潟から出てきませんからね。これも瓶好きの人達にとって良い資料ですね。
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のら
at 2008-05-24 15:01
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すごいですねぇ!!なんでしょう、このつながりは!!
案山子クリームと判り、完全保存版と出会えたことだけでも驚きですが、先日からの丸善の繋がりを考えてると、シンクロニティーというよりまるで神懸かり!! どんなにか興奮したでしょうね。 よかったですね。
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おじ
at 2008-05-24 15:39
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beachcomberjp at 2008-05-24 18:08
陶片狂さん、
瓶は各地の干潟やハケで見つかるのでしょうが、箱やラベルはそういうわけにはいきませんね。 今回、運の良いめぐり合わせもあって、一気につながってしまいました。何だかこの1週間ほどで、壜の運と、つながり運を使い果たした気分ですよ。
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beachcomberjp at 2008-05-24 18:14
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beachcomberjp at 2008-05-24 18:16
おじさん、
いやぁ~!本当に驚きましたよ。 ここまでつながるってのは、まずありえません。 まぁ、ネットが無ければ糸口は見つからなかったのですが、それだけでなくアナログな、人のつながりを感じました。 でも、今年のつながり運、使い果たしてしまいましたねぇ~!!
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尚 nao.
at 2008-05-25 10:22
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この案山子マーク、ネットか何かで見た記憶が…。
それにしても名古屋市内のハケは、素晴らしいですね。 さすがに土の奥深くまでは空襲の被害を受けなかったのでしょう。 Cさんの壜も、金属蓋が残っているなんて貴重ですね〜。 いやぁ、すごいものばかり見せてもらってドキドキしてます☆
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beachcomberjp at 2008-05-25 11:04
尚さん、
道路拡幅工事のための立ち退き跡地ですが、ポツポツと家が消えていくので、目が離せません。前のガラスがほとんど熔けていた現場から300メートルほどのところにこれらが密集していました。ブルドーザーで平らにならしてありますが、きっとここはハケだったのでしょう。今日もそろそろ雨が上がりそう・・・地表が洗われ何か出てないかと、気になっています。
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尚 nao.
at 2008-05-26 01:04
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カガシ…わかりました。
カガシ美白クリームというのが正式な製品名のようで ホルモンという会社が1918年に発売したもののようです。 おもちゃコレクターの北原照久さんの本 『北原照久の20世紀広告博覧会PART1』に同じデザインで 商品名の書かれた帯の部分だけ異なる箱が載っています。 老舗メーカーのようですが、化粧品業界団体のHPで見たところ 戦後には名前が出てこないので、戦争被害の影響で廃業したのかも。 どういう経緯で丸善や松坂屋が絡んでいるのかはわかりませんが…。
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beachcomberjp at 2008-05-26 08:46
はじめまして。カガシ化粧品をネットで調べていてたどり着きました。こんなにきれいな壜が箱付きで残っていたとは驚きです。勝手ながらリンクを貼らせていただきました。
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beachcomberjp at 2011-02-12 10:46
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あかずきん
at 2011-04-19 01:22
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こんばんは
驚きました!カガシと底にエンボス瓶を干潟で拾って一体なんだ~って調べたらココに辿り着き、成る程!です こんなにキレイな箱まで存在するとは・・・・凄いです スッキリしました、ありがとうございます^^
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beachcomberjp at 2011-04-19 20:47
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原田幸四郎
at 2018-07-20 07:57
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一ケ月前から、ヒョンナ事から、カガシ化粧品を調べ始め、今日、貴プログにたどり着きました。カガシ商品本舗は大阪が本店、東京、名古屋、神戸(工場)満州に拠点があったようで、創業者は、丸善創業者の早矢仕有的の4男、早矢仕(丸家)七郎です。その孫にあたる方が、まだ何名か存命中でするが、そのお一人の方から、何も資料が残っておらずその実態が分かっていないと言われ、調査し始めたところです。是非、現物をみたいもです。
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beachcomberjp at 2018-07-22 23:18
原田さん、
お知らせ、ありがとうございます。 やはり丸善関連でしたね。ご子孫の方は、きっとクリームとは関係の無いお仕事をされてるのでしょうね。 ただ、カガシの名前の由来が気になります。ハヤシが訛ってカガシ?? |
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